阿波踊り

ゴン太のいないお盆。

タツもいないし、サクラもいない。

手持ち無沙汰というのか、

退屈というのか、

昔に戻っただけというのか。

 

よーし、

しばらく見に行くことのなかった

市内の阿波踊りでも

見に行こうじゃないの!

と出かけてみたが、

あいにくの雨…

正確には、台風接近中。

 

踊りは見たいけれど

雨に濡れたくない…

ってことで、

アーケードのある商店街(今や

シャッター街)をウロつくことに。

 

昔はアーケード街の中でも

いくつもの連が踊っていたし。

そこで見ることにしよう。

そう思ったが、

久々の阿波踊り

様変わりしてしまっていた。

 

アーケード街で目にした踊り子達は

雨宿りをしていたり、

足早に歩いて通り過ぎるだけ。

ああ、あの踊りの鉦の音や

笛の音が聴きたい~!

すれ違う踊り子さんに

思わず「踊ってー」と言ってしまったが、

雑踏のなか、そのうえ私は

マスクをしていたし、

なかなか声が届かない。

 

そんななか、ようやく 1つの

連が踊りを始めた。

そうそう、この音、このリズム…

 

 

台風のせいもあり、人出も少なく、

昔のなかなか前に進めなかった

あの混雑、賑わいが懐かしくなった。

 

すっかり寂れた

アーケード商店街を歩く踊り子たち。

 

ああ、かっこいい後ろ姿。

できれば踊りが見たかった。

 

まっ、仕方ない。

今の阿波踊り

実行委員が変わってしまい、

今までの阿波踊りでは

なくなってしまったのよね。

 

…いえいえ、それ以前に、

10数年以上、私が阿波踊り

見に行くことがなかった間に

少しずつ変貌を遂げていたのかも

知れない。

 

子供の頃、

全身で感じ、全身で受けとめた

熱く燃え上がった

あの時代の阿波踊りを見ることは

もう無理なのかなぁ。

小さな吐息が漏れた お盆でした。